模型制覇




2012.4.25

アウドムラ編(1)
「遂に発進!模型制覇」


ホームページ開設から幾多の時が流れましたが、満を侍して模型講習コーナーを開設いたします。

基本的なスタンスとしましては、私が勝手気ままにやりたい事をやるコーナーではなく、
皆様からのご質問に答えていく形をとっていきたいと思っています。

という事は、皆様からメールがなければ継続不能になってしまうので、一層のお便りをお願い致します!


宣伝(笑)

いきなり宣伝で恐縮ですが、この二冊は「模型制覇的理念」に乗っ取って書いています。
「模型制覇的概念」とはつまり「考える」事。

道具を用いて作業するからには道具の性質や、適材適所を考え、
使用する際のフォームを正しく理解する必要があります。
これらの事は、場当たり的に記憶するよりも、その都度の「最適」を自身で考えるべきです。

また、切断、切削、接着、塗装などは物理作用、化学反応を伴うものなので、
常に「なぜこうするのか?」「もっと良い方法はないのか?」「順番はこれが最適なのか?」を考える必要があります。

上記二冊はこうした事をまとめた本なので、このコーナーでも「何ページを参照」などと登場するかも知れません。
甚だ宣伝的で恐縮なのですが、参考書代わりにお持ち頂くと便利ではないでしょうか?


アウドムラ仮組1 アウドムラ仮組2

前置きが長くなりましたが、それでは記念すべき開講第一回目のご質問です!

関東在住の30代会社員、模型歴15年のブルース・ウェインさん!
この方はキャラホビのお客様で、購入された初代組ガレージキット、アウドムラについてです。
この写真を送って頂いた時は「アウドムラ仮組終了!」と言う事でしたが、とにかく「素晴らしい!」としか言いようがない!
自分で言うのも何ですがうちのキットは組みやすいです。深く考えなければそれこそ1日でも組める程です。
しかしそこはやはりレジンキット、クオリティーを追求するとなると大変な事になってしまいます。
ブルースさんのこの状況を見るに、全ての面を仕上げています。かなりディテールの混んだこのシリーズを、
ここまで仕上げるには並々ならぬ覚悟があっての事でしょう。

アウドムラ仮組3

次の写真を見てみますと想像通り微妙な部分は作り直しています。
レジンは柔らかいので切削などの作業は楽に行える反面、細かいディテールはスチロールより難しい部分があります。
カンナ削りやスジ彫りなど、材料の硬度を利用して行う作業(*1)は毛羽立ってしまい美しく仕上がりません。
更に、微細パーツを接着する際に溶着系(*2)の接着剤が使えないので位置決めがシビアになります。
しかしながらこの写真を見ると、そういった問題を完全にクリアーしているように見えます。
結論を申し上げるとブルースさんはプロレベルの技量を持っていると言えます。

アウドムラ仮組4

しかしながら先ほどの写真に関しては、アップにしたこの部分にこそ重要なポイントがあると言えます。
その問題とは一体何であるのか?そして実力者であるブルースさんの質問とは一体!?
残念ながら続きは次回の講釈で!(ヒント、初代組キットに慣れている方は解るかも知れません)

*1
カンナ削りやスジ彫りは材料の脆さを利用して切削する作業。ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)、アサフレックス、
ABS等は比較的粘度が高いため毛羽立ってしまう。当然紙ヤスリによる切削も同じ事が言えるため難易度が高い。

*2
樹脂にだけ存在する特殊な接着剤である。有機溶剤によって材料を溶かす事で溶着させる。概念的には金属やガラスの溶接に近い。
近年では塩ビ+スチロール、アクリル+スチロール、PET等かなり特殊なものもあるが、異材料の溶着は強度が出にくく、瞬間接着剤に及ばない。



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